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進化というものの凄さ
進化の妥当性やその過程を理解することは容易ではない. 世界には信じがたい生態を持つ生物が数多く存在する. 例えば寄生蜂という昆虫は進化の驚異を示す一例である. 以下に寄生蜂の特徴を挙げる.
- 捕食寄生:
- 寄生蜂の雌は他の昆虫（蛹や幼虫）を「寄主」とし, その体内に卵を産みつける.
- 孵化した幼虫は寄主の体を食べ尽くして成長する.
- この性質は真の「寄生」とは異なり, 「捕食寄生」と呼ばれる.
- 体の構造:
- 腰がくびれているため, 腹部を自由に動かせる構造を持つ.
- 腹部の可動性により, 産卵を正確に行うことが可能である.
- 産卵管:
- 長い産卵管はキバチから進化した特徴である.
- この構造は寄主に卵を産みつけるために特化している.
- 毒腺の進化:
- 産卵管に付随する毒腺の毒成分は, 寄主を半殺しまたは麻酔する役割を果たす.
- 毒成分は進化の過程で変化を遂げてきた.
寄生蜂のように馴染みのない生物だけでなく, 私たちの目もまた進化の驚異を体現している. レンズのような構造が発生し, さらにピント調節の機能を持つ複雑な機構が備わることは非常に興味深い.
これが自然選択の過程だけで実現可能であるかについては, 以前投稿したドーキンスのイタチプログラム(Weasel Program)が示唆するところと共通するものがある.
さらに, 言語も進化の延長線上に存在する. ここまで高度な機能が進化によって発達したことを考えると, 言語の進化を研究する進化言語学がいかに魅力的であるかが理解できるだろう.
参考文献
- 天敵の代表格：寄生蜂 寄生蜂の進化と多様性 https://www-agr.meijo-u.ac.jp/labs/nn006/entomol/entomol.parasitic-wasps.html