予言
世界的なミュージシャンDavid Bowie.
彼は,今から17年前の2002年に受けたNew York Timesのインタビューでこんな言葉を残しています.
Music itself is going to become like running water or electricity
音楽は(身の回りを)流れる水道や電気のようになるだろう
New York Times
2002年といえば,日本ではFIFAワールドカップが開催され盛り上がり,世界を見れば,ハリーポッターの第1作 ハリー・ポッターと秘密の部屋やスパイダーマンといった今でも愛されている映画が公開された,そんな年でした.
もう1つ付け加えると,iPodがこの世に登場した一年後の年です.改めて言うまでもなく,iPodは音楽のあり方を一変しました.その系譜は現在のiPhoneにまで引き継がれています.しかし発表当初,iPodがここまで世界を変えることになると予想出来ていた人はほんの少し.David Bowieはそのほんの少しの側でした.
それまではCDというデータ容量の少ないハードウェアに音楽のデータが記録されていた時代.音楽を聴くには,そのCDを買いにショップに行きにプレイヤーにセットして再生.違う曲が聴きたくなればCDを取り替えるという時代です.
しかしiPodの登場以降,音楽はポケットに収まる1つの端末に格納されるデータとして扱われるようになりました.この変化はCDというハードウェアの重要性を低下させ,代わりに音楽のデータとしての形を際立たせることになりました.つまり,それまではCD +データが音楽だと思われていたものをデータ自体が音楽であるという認識に変えたのです.そしてハードウェアに頼らない複製芸術として限界費用ゼロのデータ配信が可能となった現在,音楽は買うものではなく登録するものとなりました.
Apple Music
その流れに乗って発表されたAppleのサービスがApple Musicです.
ここでは,Apple Musicに登録して毎月一定のお金(個人¥980・学生¥480)を払うことで5000万曲を超える音楽が好きなだけ楽しめるサービスとなりました.これはまさにDavid Bowieのようの予言が的中した未来です.
5000万曲という膨大な音楽がこれだけ安い金額で楽しめるようになったのはm人類至上初のことです.そこでは今までとは違った楽しみ方が可能になりました.
Apple Musicの特徴
聴き放題
何と言っても聴き放題というのが,こういったストリーミングサービスの特徴.5000万曲を980円で聴けるということは一曲あたり0.0000196円です.以前はCDが二曲入りで千円だったことを考えると驚異的な安さ.ビジネスモデルの変更は音楽までも資本主義に取り込みました.端末にダウンロードすることも可能なので,オフラインで楽しむことも可能です.
さらに歌詞も表示できます.ダウンロードが主流になってから歌詞カードがなくなっていましたが,歌詞も楽しめるのはありがたい.
こんなに音楽に触れやすい環境があるのだから使わない手はありません.
Beatsとのコラボラジオ
2014年にAppleはBeatsというヘッドフォンの会社を30億ドル(約3600億円)で買収しました.元々この会社はヘッドフォン事業だけでなく,サブスクリプション型の音楽サービスに豊富な経験を持っていました.それが元になりApple Musicが開始されています.そして,その中にはbeats独自のラジオ番組やキュレーションもあります.様々なラジオがあるので適当なチャンネルを流しておけば,意外に気になる音楽が見つかったりして楽しい.もちろん気に入ったらそのままダウンロード可能です.これこそ聴き放題の利点.今まで聞いたことのないような新しい音楽に触れることがグッと簡単になったので,世界が広がること間違いなし.
レコメンド機能
新しい世界に進むのももちろんアリです.でも好きなタイプの音楽をさらに深めていくのもアリ!
Apple Musicのリコメンド機能は自分の好みの曲を分析して,似た感じの曲をお勧めしてくれる機能です.これはどんどん深めていくときに便利.
曲のひとつひとつにLoveかDislikeをつけることができるので,気に入った曲があればLove,あまり好きなタイプではない時はDislikeを押すとAIがそれに沿ったリコメンドをしてくれます.
まとめ
David Bowieが予言したように.音楽は私たちの周りを水道のように存在する時代になりました.そんな音楽のあり方を可能にしたのがサブスクリプション.
Appleユーザーからすれば,やはり純正のサブスクリプションApple Musicの使いやすさは他のものとは一線を画します.