自発的な構造形成。
言語学の最大の試練の一つとも言えるのが、これだけ複雑で多様な表現が可能な言語という存在の構造を理論立てることであろう。
最も有名な理論といえばチョムスキーの生成文法であるが、これもまだ未知半ばの理論である。
この複雑な言語を理論立てるためのアプローチとして、自発的な構造を形成を促すようなモデルである。
例えば、反応拡散モデル等はその代表である。これは反応と拡散というふたつのプロセスが干渉し合うことで複雑な表現を可能にするモデルだ。
この動画をみるとパターンが時間と共に変化している様子が見て取れる。これはこの反応拡散モデルのシミュレーションに当たる。
このように変化するパターンはチューリングパターンとも呼ばれる。このパターンの提唱者のアラン・チューリングは動物の模様が作られるパターンを理論として示し、そのことからチューリングパターンと呼ばれる。
こういったシステムは自己の内部で構造の形成を促すようなモデルである。言語にも似たような機構があれば、一定のパターンから複雑性を持ったシステムへの転換も可能になるはずである。
参考文献
- 藤田耕司. (2003). 生物言語学の展開-生成文法から見た言語発生の諸問題. Viva Origino, 31(2), 104-121. 生命の起原および進化学会.