EPG (Electropalatography) の仕組みと欠点について


先日MRIについての投稿をしたが, 今回は調音点の測定のもう一つの方法であるEPG (Electropalatography) についてまとめたい. EPGは発音や構音の研究, 発話障害の診断と治療等に用いられる技術である. まずEPGの仕組みであるが, EPGは舌と口蓋の接触パターンを測定・記録する技術である. 具体的には, 特殊な人工口蓋に多数の電極を埋め込み, 舌が接触すると電気信号が発生する. この信号をコンピューターで処理し, 舌と口蓋の接触パターンをリアルタイムで視覚化する.

EPGは非侵襲的で安全性が高く, リアルタイムでの視覚的フィードバックが可能というメリットがある. また, 携帯性に優れており, 舌の側面による狭窄も観察可能である. 一方, EPGにも欠点がある. 仕組みの部分でも述べたように, EPGは舌と口蓋の接触パターンを測定する. そのため, 両唇音の計測はできない. 加えて, 人工口蓋が喉の奥まで入ってしまうと, 咽頭反射が起こるため軟口蓋の測定にも不向きである.

参考文献

  • 川原繁人. (2018). ビジュアル音声学.

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