日本語の音


今までの投稿で調音点と調音法についてまとめてきたが, ここで一度総体的にまとめてみたいと思う. そこでテーマにしたいのが我々が話す日本語である. とりわけ, 日本語の50音図について深掘りたい.

これを改めて見てみるといくつかのことに気づく.

まず, 最初に気づくのは先頭の「あいうえお」は母音であるということである. そしてその母音と対応するように, 子音の組み合わせがあいうえお以降記載されている.
さらにこの子音の並び方にも規則がある. 以前投稿したIPAのチャートを見てみよう.

これを見ると, カ行からマ行は調音点をGlottal (声門的)からBilabial (両唇的)の方向に遡って記したものであることが分かる. つまり, 我々が普段から用いていた日本語の50音図は音声学的なバックグラウンドを加味して記載されていたことがわかる. 余談だが, この50音図はなんと900 – 1000年という今から約1000年ほど前に作成されたということだ. その図が今でも現役で使われていることを考えると, いかにこの図の完成度が高いものかが理解できる. また, Sugifuji (1997) はこの図のことを母音と子音のマトリクスと表現している.

参考文献

  • IPA Chart, http://www.internationalphoneticassociation.org/content/ipa-chart
  • 杉藤美代子. (1997). 日本語音声の音声学的特徴. BME, 11(4), 2-8.

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