我々が使う日本語には同音異義語というものがある.
例えば[hashi]という音に対して,橋と箸というような複数の意味が割り当てられている.我々は会話中ではこれを音の高さで使い分けている.
また,英語では音の高さ,長さ,強さを用いて語の一部を強調することがある.こういった現象をアクセントという.
日本語のようなアクセントを使う言語をピッチアクセント,英語のようなアクセントを用いる言語をストレスアクセントという.
さらに日本語や英語に触れる機会が多い我々からすると,あまりピンと来づらいが,ポーランド語やキルギス語は強調される音節が固定で決まっている.ポーランド語は常に後ろから2番目の音節,キルギス語は常に1番後ろの音節が強調される.
こういった違いに対して,日本語・英語のようにアクセントの位置が様々であるものを自由アクセントの言語,ポーランド語・キルギス語のようにアクセントの位置が固定されているものを固定アクセントの言語と言うふうに表現する.
また,日常会話では,アクセントのことを「イントネーション」と言うこともあるが,厳密にはイントネーションは文レベルの変化パターンを示す言葉である.
参考文献
- 斎藤, 純男, 田口, 善久, & 西村, 義樹. (2015). 明解言語学辞典. 三省堂. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BB19119305
- 川原繁人. (2018). ビジュアル音声学.