選好注視法(preferential looking method)について


言語獲得等の研究では乳幼児を対象に実験をすることがある.

こういった研究の難しいポイントの1つは,(当然ではあるが) 言語コミュニケーションでの質疑応答ができないことである. 被験者が言語を獲得した大人ならば, 実験内容に対して言語で質問や確認ができる. しかし、そもそもの言語獲得の過程を研究対象にする乳幼児相手の研究では, その手法が使えない。そのため別のタイプの実験が必要になる.

選好注視法(preferential looking method)は そういった場合に活用される実験方法である.これはアメリカの心理学者Robert Lowell Fantzによって開発された手法で,乳児は、「より興味深い」刺激と「それほど興味深くない」刺激が同時に提示された場合、刺激を区別できる場合にのみ「より興味深い」刺激に視線を固定する傾向があることを利用する.

区別がつかない刺激だと,視線を固定する傾向が下がっていく.このプロセスを観察することで,乳幼児がその刺激に対してどういった認識を持っているかを推測することができる.

参考文献

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