機械とは?


以前の投稿で機械を人間のアナロジーとして捉えるということを述べた. しかし, ここでいう機械とは何であろうか? 現代の我々の身近には様々な機械が存在する. 例えば, 私は電動歯ブラシを使用しているが, これは機械と呼べるだろう. より複雑な機械としては, コンピューターやスマートフォンが挙げられる. 一方で, 普通の歯ブラシや算盤は, 個人的にはあまり機械とはみなさない. このような機械と非機械の境界は, どこに存在するのだろうか.

これに対して, Mochizuki (2001) はその論文内で, 機械に対する明確な定義を提示している.

しかし本論を進めるに当たっては機械を上のように、人間の機能を拡張する人工物であり、動力機と伝動機構、そして動作機からなるシステム構造体として定義する。 (Mochizuki, 2001)

この定義は確かに, 私が述べた電動歯ブラシやコンピューターが機械であると感じる一方, 普通の歯ブラシや算盤はそうではないと感じる理由を説明できるものである. さらに, 我々が学問上で用いる機械のアナロジーも, 概ねこのMochizuki (2001) の定義に従っていると考えられる. つまり, 機械のアナロジーを用いた議論を行う際には, その機械がこの定義を満たしているか否かが非常に重要であると言えるだろう.

参考文献

  • 望月由紀. (2001). 人間機械論における概念装置: 機械アナロジーの有効性. 社会文化科学研究, 5, 279-283.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です