著名研究者の言語観の差


以前の投稿で, The Sapir-Whorf Hypothesis(サピア=ウォーフの仮説)を紹介した. この仮説名のもとになった説の提唱者としてEdward Sapirがいる.
最近, Sapir の著書を読んでいるが, その中でChomskyとの言語に対する見解の違いが明確に表れており, 非常に興味深い.
具体的に言えば, Sapir は言語習得を経験主義的に捉え, Chomsky は生得主義的に捉えている. これにより, 言語の本質に対する2つの異なる視点が生まれている.
この違いが顕著に現れている箇所として, Sapir (1921) から次の一節を引用する.

Walking is an organic, an instinctive, function (not, of course, itself an instinct); speech is a non-instinctive, acquired, “cultural” function.
(Sapir, 1921)
歩行は有機的で, 本能的な機能である(もちろん, それ自体が本能というわけではない). 言語は非本能的で, 習得された「文化的」機能である.
(ChatGPT 訳)

このように, Sapir と Chomsky はともに非常に著名な学者であるが, その言語に対する考え方には大きな違いがある.
そのため, 我々は常に批判的思考をもって, 各理論や主張を分析し, その背景や根拠を慎重に検討する必要があるだろう.

参考文献

  • Sapir, E. (1921). An introduction to the study of speech. Language, 1, 15.

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