生態学の文脈で、ガウゼの法則という興味深い概念を学んだ.
この法則は、同じ生態的ニッチを占める2つの種が共存できないことを示しており, 1934年にソ連のGeorgii Frantsevich Gauseによって提唱されたため「ガウゼの法則」と呼ばれている.
この内容は, 以下のように要約できる.
- 交配しない2つの個体群が「同じことをする」, すなわちエルトン的な意味でまったく同じ生態的ニッチを占めている場合.
- それらが「同所的」である, すなわち同じ地理的領域を占めている場合.
- 個体群Aが個体群Bよりわずかに速く増殖する場合, 最終的にはAがBを完全に排除し, Bは絶滅する.
(Hardin, 1960)
この法則には反例が存在するものの, 言語がしばしば生物的な振る舞いを示すことを考慮すると, この原理は言語学にも応用可能である.
例えば, 単語や表現が特定のニッチに限定されている場合, 競争的排除原理により, どちらか一方が採用され, もう一方は使われなくなる可能性がある.
この現象をガウゼの法則を援用して検討することは, 言語進化や言語変化の理解に寄与するかもしれない.
参考文献
- Hardin, G. J. (1960). The competitive exclusion principle. Science, 131(3409), 1292–1297. https://api.semanticscholar.org/CorpusID:18542809