音の分割


人間の言語はいくつかのレベルで分割することができる. 例えば, 統語論的な分割の場合, Word (語), Phrase (句), Clause (節), Sentence (文) といった単位で分割できる.

では, 音の場合はどうであろうか. Selkirk (1986) は音の表示のレベルを, 少なくとも4つの異なる表示レベルと潜在的には3つの異なる下位部門を含むことになるとし, 次のようにまとめている.

Subcomponents/syndromes

‘phonosyntactic’

‘phonological’

‘phonetic implementation’

Levels of representation

surface syntactic structure¹

P-structure

PI-structure

phonetic representation

(Selkirk, 1986, p. 375)

下位部門/規則特性のまとまり

音声統語的

音韻論的

音声的具現

表示のレベル

表層統語構造

P-structure

PI-structure

音声表示

(Gemini 訳)

この提案を見ると, 音声の場合も統語構造と同じように, 我々が知覚できるレベルと, さらにその奥にある知覚できないレベルでの構造を想定していることがわかる. この観点は, 理論言語学をやっていく上で避けては通れない非常に重要な観点であろう.

参考文献

  • Selkirk, E. (1986). On derived domains in sentence phonology. Phonology, 3, 371-405.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です