語彙とは


言語研究の中でも, 語彙は今なお研究が進められており, 未だ理論構築の途中である. 有名な理論では, 分散形態論などが存在しているが, 分散形態論は, 以前にもまとめた通り統語論的な発想をしている理論である.

他方で, 認知言語的な文脈では, 語彙はどのように捉えられるであろうか.

Langacker (2008) は語彙を次のようにまとめている.

In this approach, a lexical meaning resides in a particular way of accessing an open-ended body of knowledge pertaining to a certain type of entity.

(Langacker, 2008)

語彙的な意味は知識体系への, 特定のアクセス方法である. これは分散形態論などとは全く異なるタイプの発想であることが分かる. そもそもの理論構築の前提が違うのであるから想定する対象も全く異なるのは当然であるが, こういった複数の理論を見比べることで, 自分の理論を相対的に検討できるようになるのは非常に重要なことである. そして他の理論から新たなことを学び, 互いに影響を持って進めていくべきであろう.

参考文献

  • Langacker, R. W. (2008). Cognitive grammar: A basic introduction.

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