関係と依存


最近, Bodeの Coordination and the Strong Minimalist Thesis を読んでいる. Bode自身の独創性のある理論も非常に示唆に富むが, その前段階でのStrong Minimalist Thesisの整理や, 用語の捉え直しなどが非常に勉強になっている.

その中で1つ, 非常に興味深い対比として「Relation」と「Dependency」というものを学んだ. 日本語に訳せば「関係」と「依存」になるが, 個人的にはこの訳にはしっくりこない部分があり, 原文通りRelationとDependencyという語を用いて内容を整理する.

項目 Relation Dependency
結びつき 無方向的, 対称的, 可逆的 有方向的, 非対称的, 不可逆的
基本機能 AとBを単に結ぶ 解釈が付与された関係
解釈 結びつきに解釈を与えない 方向性が結びつきに解釈を加える(それによって非対称になる)
(Bode, 2024, p. 51)

この観点を踏まえ, Bodeはこれらの内容が言語にも応用可能であることを示し, さらに等位構造の分析において, 手際よくまとめながら議論を展開していく. こういった様々な観点から状況を整理していく方法は非常に参考になる.

参考文献

  • Bode, S. (2024). Coordination and the strong minimalist thesis. Routledge.

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