AI同士の言語接触
以前の投稿でもたびたび触れているように,コンピュータシミュレーションを用いた人間の言語のシミュレーションは,例えば進化的な文脈など再現ができないものに対して,ある種の考察をもたらすことを可能にしている.
Graesser et al. (2019)では,マルチエージェントのコミュニケーションゲームを用いて,創発的な言語現象をシミュレートした.
その結果として,非常に興味深い現象を報告している.
This observation agrees with a similar phenomenon of structural simplification in creole languages which are understood to arise from the contact of two or more languages (Parkvall, 2008; Bakker et al., 2011, p. 8).
(Graesser et al., 2019, p. 3708)
AIのマルチエージェントモデルでも,2つ以上の言語が接触すると,構造が単純化されるというクレオール化の現象が見られるというものである.
これは言語自体というよりも,その接触においてクレオール化が起きるというような,発想的には第三要因が原因であるという示唆を得ることができる.
こういった自然では観測しづらい現象をモデリングできるのが,コンピュータシミュレーションの面白いところである.
参考文献
- Graesser, L. H., Cho, K., & Kiela, D. (2019). Emergent linguistic phenomena in multi-agent communication games. In Proceedings of the 2019 Conference on Empirical Methods in Natural Language Processing and the 9th International Joint Conference on Natural Language Processing (EMNLP-IJCNLP) (pp. 3700-3710).