音声が空気の波となって伝わる過程を考える
以前の投稿で音声学には下記の3つの分野があることをまとめた.
- 調音音声学 (articulatory phonetics) ← 話者が音声を発するステップ
- 音響音声学 (acoustic phonetics) ← 音声は空気の振動となり伝播するステップ
- 聴覚音声学 (auditory phonetics) ← 聴取者が音声を理解するステップ
今回は2つ目の音響音声学 (acoustic phonetics)についてまとめたい.
これは上でもまとめている通り,音声が空気の振動となり伝播するステップを深く扱うものである.今までの投稿で音声というのは結局は物理的な現象であることが理解できたと思う.この音響音声学は空気の振動というさらに物理的な観点で音声を研究していく.しかし,空気の振動というものは,通常我々の目では観測できない.そのため,ここで数学もしくは物理学の理論を用いて音声を分析する.
とりわけ重要なのは「三角関数」と「フーリエ変換」である.これらの理論をもとにして,客観的かつ具体的な音声の研究をするのが,この音響音声学 (acoustic phonetics)の仕事だと言える.
参考文献
- 斎藤, 純男, 田口, 善久, & 西村, 義樹. (2015). 明解言語学辞典. 三省堂. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BB19119305
- 川原繁人. (2018). ビジュアル音声学.