言語処理に関連する脳の部位
現代の科学では、fMRI に代表される脳を観察するための機材が利用可能になった。
このことから、人間の言語能力と脳の関係性の研究も飛躍的に進んでいる。 他方、 19世紀頃には既に主要な言語野は発見されていた。 有名な例ではPaul Broca のブローカ野(Broca’s Area) とCarl Wernicke のウェルニッケ野(Wernicke’s Area)がある。
ブローカ野は発話のための機能を担う「 運動性言語野」として考えられ、ウェルニッケ野は 原子の理解を担う「 感覚性言語野」という風に考えられた。
しかし、 この発見以降もfMRI 等の観察機材を用いることで、新たな発見がされてきた。
とりわけ、 脳が言語を扱う際には、各脳領域とそれらを相互接続する言語ネットワークが想定されるようになった事は特筆に値するだろう。
その脳内ネットワークで固定されている脳領域は下記である。(Kinno & Ono 2016)
- 線条体
- ブローカ野
- ウェルニッケ野
- 一次運動野
- 補足運動野
- 帯状回
- 角回
- 緣状回
- 上側頭溝
- 上側頭回
- 中前頭回
- 島皮質
- 一次聴覚野
このように言語が様々な脳領域のネットワークであると言う事は、研究の複雑性を増すと同時に興味関心もより強くなるものである。
参考文献
- 金野竜太, & 小野賢二郎. (2016). fMRI からみた統辞処理の神経機構. 高次脳機能研究 (旧 失語症研究), 36(2), 255-262.