失語症研究の代表的な2人


昨日、 代表的な失語症をまとめ、その中で2人の著名な学者ポール・ブローカ(Paul Broca)とカール・ウェルニッケ(Carl Wernicke) について触れた。

今回はその2人の業績について、もう少し詳しく触れてみたい。

まず、ブローカは 近代的な失語症研究の創始者と言えるだろう。 彼は(先日紹介した)ルボルニュという言語障害を患っていた患者の解剖学的見地から、 脳の左半球に異常を認め「我々は左半球で話す」という有名な言葉を残した。 これが近代的な失語症研究の始まりと言えるだろう。

一方、この失語症研究を体系化させたのはウェルニッケ だと言われている。 彼は ブローカ野だけではなく、ウェルニッケ野、そしてその 2 つを 連絡する。神経繊維に 着目しより発展的な失語症モデルを打ち立てた。 これは、古典的な失語症分類モデルの原型と呼べるWernicke-Lichtheim 失語モデルへの石礎となった。

しかしながら、 彼らの時代の観察方法は、主に解剖学的な手法が用いられており現代的なfMRI 等の使用ができなかったことは当時の技術的な限界として存在していた。

いずれにせよ、この2人の研究の功績は非常に偉大なものであり、 彼らの発見なくして 現代の失語症研究は成し得なかったであろう。

参考文献

  • 東山雄一, & 田中章景. (2021). 機能画像からみる言語と脳の関係: 言語ネットワークはどこまでわかったのか. 神経心理学, 37(4), 272-290.

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