節の重層


ヒトの文法性の特徴の一つは再帰性にある. そして, これは言い換えるならばある層を別の層に組み合わせる作業と言える.

Progovac (2015)は, この層の組み合わせについてTPを小節の上に重ね合わせることができるようになって生じたという提案を行なっている.

The proposal in this chapter considers that the complexity in clausal structure arose through the imposition of one layer of structure upon another, that is, by superimposing a layer of TP over the layer of a small clause.

(Progovac, 2015, p. 167)

本章の提案では、節構造の複雑さは、ある構造の層が別の層の上に重ねられること、すなわち、TP(時制句)の層を小節の層の上に重ね合わせることによって生じたと考える。このような成層的(階層的)な説明は、脳の進化全般に関しても提案されてきたという点は指摘に値する。

(Gemini訳)

これは漸進的な進化を想定しているが, このストーリーの方が脳の進化全般に対しても整合性が取りやすいというのは非常に理解しやすい.

他方で, 最近個人的には漸進的に進化はしつつも, ある一つの, 要素を結合する操作(例えばMergeなど)が登場すれば飛躍的に進化する跳躍説にも少し妥当な感触を覚え始めている. これは機械学習(特に深層学習)の影響が大きい.

参考文献

  • Progovac, L. (2015). Evolutionary syntax. Oxford University Press.

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