重複して現れる接続詞


以前の投稿で, Coordination Structure とは, ‘and’や’or’といった接続詞によって要素を接続し, 新たな句や文などを形成する構造であるとまとめた. 例えば次のような文はCoordination Structureの代表例と言える.

1. Tom and Mary play the guitar.

ここで ‘and’ が接続詞 (Conjunction) にあたる.

しかし, (英語では見られないものの) いくつかの言語ではこのConjunctionが重複して現れる現象が見られ, これは”Conjunction Doubling”と呼ばれる.

我々が使う日本語にもこの現象は見られる. 例えば, 次の文が挙げられる.

2. 山田さんと佐藤さんと齋藤さんが仕事をした.

3. 山田さんと佐藤さんと齋藤さんとが仕事をした.

2と3は一見すると同じ文章に見えるが, 3には齋藤さんの後に接続詞「と」が追加で挿入されている点が異なる. 2の文章も3の文章も共に文法的であることを考えると, この最後の「と」は随意的要素であると考えられ, あってもなくても文法性は保たれる.

等位構造の理論を構築するためには, このConjunction Doublingの現象も説明できるような理論を検討することが望まれる.

参考文献

  • Progovac, L. (1998). Structure for coordination: Part I. Glot International, 3.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です