論文には様々な種類が存在する. 学会誌論文や紀要論文などがその代表例であるが, その中でも博士論文は特に重要である. 博士論文は, 博士課程の最終的な提出論文であり, 博士号授与に関わる極めて重要な文書である.

博士論文を読むと, 多くの場合, その分野の先行研究が詳細にまとめられていることがわかる. これは, その論文を通じて先行研究を参照することができるため, 論文そのものの価値に加えて, 先行研究の確認手段としても非常に有益であると言える.

実際, Ishiguro (2021)は, 博士論文を次のように評価している.

博士論文は, 当該分野における優秀なビブリオグラフィー, すなわち参考文献の総目録であり, 先行研究史を詳しくまとめてくれている点でありがたい存在です.

(Ishiguro, 2021)

さらに, 博士論文は博士号取得を目指す者にとって, その執筆過程や構成から多くを学ぶことができる. 論文の書き方, 先行研究のまとめ方, そして最終的な研究成果の価値の提示方法など, 学ぶ点が非常に多い. 特に, 自ら博士号取得を目指す者にとっては, 著者の苦労と成果に触れることで励ましを得ることができる. こうした点から, 博士論文は特殊で重要な論文であると言えるだろう.

参考文献

  • 石黒圭. (2021). 文系研究者になる:「研究する人生」を歩むためのガイドブック.

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