言語の起源と進化の関係


人間の言語の起源は未だ未解明であるが, 言語自体が進化することは 確かである. 加えて、 言語の進化には、複数のスケールの相互作用が発生していると考えられる.

Hashimoto (2004) はこの相互作用を生物進化 (phylogenesis)、個人の学習 (ontogenesis)、文化進化(glossogenesis) という三つの時間スケールに整理している.

加えて,このそれぞれが互いに作用する過程をダブルループ・ダイナミクスとしてまとめている.

内容は下記である.

  • 生物進化は認知・学習能力の進化に寄与する.
  • 認知・学習能力の進化は学習に寄与する.
  • 学習は言語ルールの生成・変化に寄与する.
  • 言語ルールの生成・変化は言語ルール獲得とそこからの制約に影響を与える.
  • 言語ルール獲得とそこからの制約は文化進化に影響を与える.
  • 文化進化は適応度を決める環境の変化に寄与する.
  • 環境の変化は生物進化に影響を与える.
    (Hashimoto 2004 図6 を元に文章化)

このダブルループ・ダイナミクスはそれぞれの関連と影響内容が非常に綺麗にまとめられていて勉強になる.

参考文献

  • 橋本敬. (2004). 言語進化とはどのような問題か?~ 構成論的な立場から. 第 18 回人工知能学会全国大会講演論文集, 1-8.

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