投稿者: 
表現型
動物は遺伝子の世代交代と変異によって様々な形質を生み出し, そして多様な生物種をもたらした. さらに動物の中には, 何かものを作るような特徴を持つ種もいる. 例えばビーバーはダムを作る. これらの生物が作る人工物について, 有名な学者であるリチャード・ドーキンスは次のように説明している.
From the viewpoint of this book an animal artefact, like any other phenotypic product whose variation is influenced by a gene, can be regarded as a phenotypic tool by which that gene could potentially lever itself into the next generation.
(Dawkins, 1982, p. 199)
この本の観点から言えば, 動物の人工物は, 遺伝子によってそのバリエーションが影響を受ける他の表現型産物と同様に, その遺伝子が次の世代に自らを送り込むための潜在的な表現型ツールと見なすことができる.
(Gemini訳)
動物の作る人工物もまたその遺伝子による表現型であるという発想は非常に興味深く, ビーバーのダムもまたその遺伝子の作用によって生み出されているものであると考えられる. だとすれば, 我々人間の言語もまた遺伝子の表現型であると考えられる.
参考文献
- Dawkins, R. (1982). The extended phenotype. Oxford: Oxford university press.