混成と水平伝播


言語を歴史的に見ると, それはある程度の正確性をもって樹形図として描くことができ, その分岐の様子を見ていくと, それはあたかも生物の進化のように見えることがある.

この分岐という過程は, 共通の祖先Aからそれぞれ異なるBとCへ分かれるようなパターンになることであり, 教科書などでもよく用いられ, 視覚的には非常にわかりやすい説明であると言える.

他方で, 言語進化にも生物進化にもそうではない進化過程が存在することを指摘する, 次の一節を見てみたい.

There are many processes in both language and biological evolution that do not result in a nested pattern of two-way splits, such as hybridization (the merger of previous separate species or languages to form a new biological lineage or contact language) and horizontal transfer (genes or words moving between populations).
(Bromham, 2017, p. 862)

ここでは, hybridization(混成), horizontal transfer(水平伝播)という用語で, それぞれ二分岐ではないパターンを紹介している.

例えば英語を見てみれば, 英語はノルマン・コンクエストなどの影響で, 非常に多くのフランス語系の借用語を有している言語である.

このような事実を除いて考えてしまえば, 主要な部分の垂直方向での継承は見えやすくなる一方で, 言語が実際に経験した部分はうまく伝えることができなくなってしまう.

この点に, 留意する必要があるだろう.

参考文献

  • Bromham, L. (2017). Curiously the same: Swapping tools between linguistics and evolutionary biology. Biology & Philosophy, 32(6), 855–886. https://doi.org/10.1007/s10539-017-9594-y

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