各研究の重要性についての覚書


研究の世界には多様な分野が存在し, さらに詳細に言えば, 研究者の数だけ異なる研究対象があると言っても過言ではない. しかし, 予算の配分や研究の潮流があるため, 研究の重要性を比較してしまうことがしばしばある. 特に, 異なる領域の研究はその価値が理解しにくく, 尊重が失われがちであると感じる.

このような状況に関連しそうな, 興味深い文章を読んだ.

ある領域を、あたかもそれが孤立した体系であるかのように扱う決断は、戦略的決断であり。それは、現在の我々の知識を前提とするとき、どの領域を探れば進歩が見られるかに関する直観に基礎を置いている。これは決して別々に探究されているいくつかの領域が互いに関係を持っていないという主張ではない。異なる諸領域において成功を収めた複数の理論が、後に統合され、このことによって理想化が緩和されるということがありうる。
(Imai & Tonoike 2019)

これは理想化 (Idealisation) の文脈で登場した文章であるが, 研究というものは進めてみないとその結果がわからないことが多い. 別々の領域だと思われていたものが後になって互いを補完し合う例は数多く存在する. 論理的である限り, どの研究も無価値ではないことを忘れずに研究に取り組むべきである.

参考文献

  • 今井, & 外池. (2019). チョムスキーの言語理論: その出発点から最新理論まで.

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