世界共通語としての英語のコア
21世紀の世界では, 英語が世界共通語としての役割を担っている. したがって, 英語を母語とする人以外にも英語を第二言語として使用する人々が数多く存在する.
つまり, 英語は母語話者との会話だけでなく, 非母語話者同士のコミュニケーションにおいても使用される. したがって, 母語話者と話すための英語ではなく, 非母語話者と話すための英語という観点も重要になる. その際, 発音の観点から優先的に身につけるべき事項として, Jenkins (2000) は Lingua Franca Core (LFC) という概念を提唱している. これを整理したものとして, Miyakoda (2018) に基づき, 以下のようにまとめられる.
a. /θ/ と /ð/ を除くすべての子音
b. 語末位置を除く子音連鎖
c. 緊張母音と弛緩母音(例: seat vs. sit)
d. 強勢位置
(Miyakoda, 2018, p. 110)
このような LFC の枠組みは, 非母語話者間の英語使用において, 発音の統一性と明瞭なコミュニケーションを実現するための優先事項として考えることができる. 日本語母語話者は一般的に子音の発音が苦手な傾向があるが, これは母語話者との会話だけでなく, 非母語話者同士の会話においても重要な要素となる.
参考文献
- 西原, 哲雄 (編). (2018). 言語の構造と分析―統語論, 音声学・音韻論, 形態論― (言語研究と言語学の進展シリーズ1). 開拓社.
- Jenkins, J. (2000). The phonology of English as an international language. Oxford University Press.