MRI (Magnetic Resonance Imaging) の仕組みと欠点について


最近, 音声学の投稿ばかりしているが少し毛色が違うMRIについての投稿になる. なぜこのタイミングでMRIについて投稿するかと言うと, MRIは音声の研究でも利用されることがあるからである.

まずMRIの仕組みであるが, MRIは核磁気共鳴現象 (Nuclear Magnetic Resonance : NMR) という体内の水分子を用いた画像処理を行い人体内部を可視化する. もう少し具体的に言うと, 強力な磁場を発生させることで, 体内の水素原子核の方向を揃え, さらに, 高周波電磁波を当てることで原子核を特定の方向に揃える. その電磁波を切ると原子核の方向が戻るが, その際の緩急の差を元に画像処理を行う.

MRIは放射線を用いないので, 被曝の影響がなく, 安全性が高いというメリットがある.

一方, MRIにも欠点がある. 一つ目の欠点は, 水分子をもとに処理を行うため, 水分子を含まない部位, 例えば歯は画像に映らない. 加えて, MRIの撮影は仰向けに横になった状態で行われるため重力の影響で, 器官が背中側に引っ張られる. これは発音を観察する際に背中側に引っ張られた状態で発音されていることを意識する必要が生まれてくる.

参考文献

  • 山本徹. (2012). 進化し続ける MRI―原理とその特徴―. 応用物理, 81(11), 905-911.
  • 川原繁人. (2018). ビジュアル音声学.

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