言語情報のデータサイト
日本語を第一言語とする話者は英語のl とrが区別できないと有名である(実際, 私もl とrの区別はできない). これは英語と日本語で用いられる音素が異なるからである. このように言語によって使われる音素もあれば, 使われない要素もある. PHOIBLE https://phoible.org/というサイトはこうした各言語で使われている音素の情報をまとめたデータベースのようなサイトである. その量は膨大で, 2019年にリリースされたバージョン2.0には, 2186の異なる言語に見られる3183のセグメントタイプを含む3020のインベントリが含まれているとのことである.
PHOIBLEは, 言語学者や研究者にとって非常に貴重なリソースである. 各言語の音韻体系を研究する際, PHOIBLEを参照することで他の言語との比較が容易になり, 音素の違いや共通点を明確にすることができる. 加えて, データセットには各言語に関する系統的および地理的な追加情報も含まれており, これらはGlottologという世界中の言語に関するオープンアクセスのオンライン書誌データベースから提供されている.
参考文献
- Moran, Steven & McCloy, Daniel (eds.) 2019.PHOIBLE 2.0.Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History.(Available online at http://phoible.org, Accessed on 2024-07-12.)