チンパンジーに言語を教える


1973年,とあるプロジェクトが行われた.チンパンジーに言語を教えるというプロジェクトであり,そのプロジェクト名をProject Nimと名付けられた.これは実験に使われたチンパンジーがNim Chimpskyと名付けられて世話されたことに起因する.

この名前に対して,察しがいい人なら気づく点があるだろう.これは生成文法の立役者であるNoam Chomskyをもじった名前である.

この名前の付け方の是非は別として,プロジェクト自体は非常に面白い試みであり,このプロジェクトではNimに手話を教えることを目的に進められた.

結果としてニムは128の手話を習得し、さらに驚くべきことに、複数の手話を組み合わせた表現も行った。しかし最終的に、プロジェクトメンバーはチンパンジーが言語を習得することはできないと結論づけた。Nimは手話を正しく行うことも多かったが、それは教師たちがわずか数秒早く適切な手話を行い、無意識に彼を促していたからであるというのが,その理由である.

この結論が出て以降も議論は続いているらしいが、やはりProject Nimの結果としては人間以外の動物に言語習得は難しいというのは非常に興味深い.

参考文献

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