言語中枢の関わり。


人間の言語能力は様々な要素が交互に連結した体系をなしている。

つまり、それぞれの要素を処理する中枢部位(centres)が脳内に存在しており、それらが連結して言語を処理していると考えられる。

一方で、失語症と呼ばれるものがある。これは後天的に脳に損傷を負うことで発症する言語障害である。この失語症はその症状によっていくつかに分類される。

ドイツ人の医師リヒトハイム(Ludwig Lichtheim) (1845−1928) は脳内の中枢部位の間の経路が損傷することによって失語症が発症し、損傷する経路と部位によって失語症の症状に差が出ると考えた。

そこで1885年に「言語処理の連結モデル」 (connectionist model of language processing)というものを発表する。これは先行研究者のWernickeの名前も合わさりThe Wernicke-Lichtheim model として知られていく。このモデルは言語中枢の連結を簡略に明示した図であり、様々な失語症の特徴を説明できるため一時期言語の理解と産出における支配的なモデルとして考えられた。

現在は古典的言語モデルとして扱われている。

参考文献

  • Sliwinska, M. W. (2015). The role of the left inferior parietal lobule in reading (Doctoral dissertation, UCL (University College London)).
  • 木下裕昭, & キノシタヒロアキ. (2010). 失語症における言語の産出と理解. 和洋女子大学紀要, 50, 187-200.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です