だんだんイギリスと日本の差を実感することが多くなって来た。
最近強く感じたのは、こちらの人々の時間への意識が日本と全く違うということだ。こちらの人々は俗にいうワークライフバランスがとてもはっきりしている。
先週、私はとても急ぎの用事が発生した日があった。用事自体は1分もあれば十分のものだったので、申し訳ないとは思いつつアポなしである人のオフィスに向かった。しかしその時、「今は私の仕事をする時間だから対応することはできない。メールをして改めて来て欲しい。」と言われた。
別の体験として、授業間の休憩中に質問に行った時は「今は休憩の時間だから、オフィスアワーかメールにして欲しい。」と言われた。
この、自分の時間をしっかり守るというのは日本人が苦手とするところではないかと思う。実際、私が塾講師をしていたときも休憩中にきた生徒の質問についつい答えてしまっていた。現代の日本はこのメリハリが無くなりすぎた結果、様々な問題が発生しているように思える。学校教師の部活動顧問問題などはその典型ではないだろうか。私費で土日まで部活活動に従事するというのは、自分の時間をしっかり守るとは言えないだろう。
私はこのことからふと、日本人は責任を分散させることが苦手なのではないかと思った。学校の教師という仕事に責任を全振りしてしまうため、自分の時間や家庭での時間が取れなくなってしまう。
一方、こちらの人々は教師の仕事としての責任も持つが、自分の時間の責任も家庭での責任も持つ。結果、別の仕事をする時間はそれ以外しないし、休憩の時にはしっかり休む。結果、時間意識はしっかり守る。
他者だけでなく自分も尊重するというところに西洋のIndividualityを感じる経験だった。