来月、短めのエッセイ提出があり、今週はそのための簡単なプレゼンがある。

今回のエッセイのテーマは第一言語習得についてである。その範囲内で自身でトピックを選んで良いとのことだった。なので、私は言語習得の臨界期仮説(Critical Period Hypothesis)についてエッセイを書くつもりである。そのため文献を読み進めている。そこで1つ興味深い主張を見つけた。

Critical Period Hypothesis on Language Acquisition 言語習得の臨界期について 白畑 知彦 静岡大学

著者は静岡大学の白畑 知彦教授。言語教育と言語習得を専門にされているようである。(静岡大学教員データベースより

この投稿で白畑教授はLenneberg(1967)を批判的に考察しておられる。Lenneberg(1967)は後天性の小児失語症の研究から臨界期仮説を唱えた。後天性小児失語症の回復経過を観察すると、若年層の失語症患者は回復速度などの差はあるにしても最終的には完全に言語は回復される。対して、12〜13歳を超えて失語症を患った場合は完全な回復に至らない場合が多い。このことから、Lennebergは12〜13歳を言語習得の臨界期だと仮説付けた。

さらに興味深いのは、この「回復」というのは失語症を発症した左脳の言語野が治癒するのではなく、他の部位が言語習得を代替するという点である。これは若年期には脳が可塑性を持っており、そのため若年層ほど代償可能性が高いと考えることが可能である。そのため失語症からの回復も若年層の方が容易であると言うことができる。

しかし他の研究では、脳の成長は5〜6歳で成人比の90%に達し、6〜7歳では成長速度、可塑性ともに衰えると言われている。

ここで白畑教授はLennebergの「言語取得の臨界期が12〜13歳」という主張と、「脳の可塑性や成長は6〜7歳ごろに終了する」という研究の相違を指摘している。というのがこの投稿の内容である。

この投稿を読んで私は、

  • 別の部位が補った言語と左脳が生み出す言語との差異
  • そもそもなぜ可塑性を失うのか
  • 可塑性を人為的に再現できれば、ネイティブ並みの言語習得が可能になるのか

という点が気になった。

臨界期仮説はとても興味深い分野である。引き続き勉強していきたい。

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