スケーリング則について
AI研究の分野でスケーリング則というものがある。
この法則は、自然言語処理の際、そのモデルのパラメーター数・データセットのサイズ・トレーニングのための計算量の3点が増えるにつれて、損失関数の結果がべき乗則で減少するというものである。
パラメータ数やデータセットのサイズと言うと、難しいように聞こえるかもしれないが、簡単に言えば 学習の設定の際の扱う特徴量を増やすイメージである。
実際、昨今話題になっているChatGPTはGPT3からGPT4へと進化を遂げているが、 この進化はこのスケーリング則に従って進化していると考えられる。
もしかすると、人間の言語にも似たような特徴があるのかもしれない。 例えばある一定以上の データ量や特徴量が備わった時点で言語理解の精度や表現力が飛躍的に向上する可能性は考えられないだろうか?このような現象は、人間の脳が情報を処理する際にも、ある種の「スケーリング則」が働いていることを示唆しているかもしれない。学習と経験が積み重なることで、人間の脳はより複雑な概念や言語のニュアンスを理解し、表現する能力が向上すると考えると別のアプローチとして言語について検討できそうでワクワクする。
参考文献
- Kaplan, J., McCandlish, S., Henighan, T., Brown, T. B., Chess, B., Child, R., … & Amodei, D. (2020). Scaling laws for neural language models. arXiv preprint arXiv:2001.08361.