利己的な遺伝子 (The Selfish Gene)について
イギリスの生物学者Clinton Richard Dawkins (以下、ドーキンス)が発表した有名な著作に利己的な遺伝子 (The Selfish Gene) というものがある。
これは我々がよく知る進化という概念を遺伝子の視点から扱った名著である。
この著作の興味深い点は我々のことを「遺伝子の乗り物(Vehicle) 」と表現したことであろう。
我々は遺伝子の乗り物だと考えると、利他的な行動の説明原理が説明可能になる。
例えば、子を守る親はその個体の生存を放棄するという点で死に直面する危険性を持つことになる。これは生物としての生存本能に反するはずである。しかし、これが遺伝子の目線になれば事情が変わる。その子を守る親は個体としては死んでしまうかもしれないが、その子供の生存確率は高まる。さらに純粋な寿命としては親よりも子供の方が残り期間が長いはずある。すると結果として、その遺伝子は親から子へ受け継がれて子の個体の中で生き延びることができ、生存率が上がる。
ひいては利他的な行動の説明原理が説明可能になる。
この概念は非常に興味深いし、これがmemeにもつながっていく。
参考文献
-リチャード・ドーキンス. 利己的な遺伝子 40周年記念版 (Japanese Edition). 株式会社紀伊國屋書店. Kindle Edition.