副詞的な使われ方をする語


言語には様々な語の分類が存在する. 例えば, “cat” は名詞に分類され, “walk” は動詞に分類される. しかし, あまり馴染みのない用語として Particle (不変化詞, 小辞) というものがある. Particle は基本的に副詞的な役割を果たし, 動詞と結びついて句動詞 (phrasal verb) を形成する場合が多い (Verb particle). その一例として, “look up” (〜を探す) が挙げられる.

She looked up the number.
She looked the number up.
(Lohse & Wasow, 2004)

これは “look” という動詞に, Particle である “up” が結びついて形成された句動詞の例である. Haraguchi & Nakamura (2016) によれば, 多くの句動詞は以下の2つの構造形式を持つことが指摘されている.

  1. V + Prt (Particle) + NP
  2. V + NP + Prt (Particle)
    (Haraguchi & Nakamura, 2016)

これらの形式はすべての句動詞に適用されるわけではなく, 両方のパターンが可能なものもあれば, どちらか一方しか認められないものも存在する. このような異なるパターンがどのように生じるかは, 句動詞の振る舞いを解明する上で非常に興味深い研究対象となる.

参考文献

  • Lohse, B., Hawkins, J. A., & Wasow, T. (2004). Domain minimization in English verb-particle constructions. Language, 238-261.
  • 原口庄輔, & 中村捷. (2016). 増補版 チョムスキー理論辞典. 東 京: 研 究 社 出 版.

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