Three Factors


以前の投稿でミニマリストプログラム (Minimalist Program) について言及し, その中で言語設計における第3要因 (The Third Factor) に触れた. 今回は, この3つの要因を改めて整理したい. 本稿では, Chomsky (2005) を引用する.

The biolinguistic perspective regards the language faculty as an “organ of the body,” along with other cognitive systems. Adopting it, we expect to find three factors that interact to determine (I-) languages attained: genetic endowment (the topic of Universal Grammar), experience, and principles that are language- or even organism-independent.
(Chomsky, 2005)

これによれば, 言語を決定する要因は以下の3つに分類される. 第一要因は遺伝的素質 (genetic endowment), 第二要因は経験 (experience), そして第三要因は言語に依存しない原理 (principles that are language- or even organism-independent) である.

このうち, 第3要因という概念は, 従来の原理とパラメーター理論 (Principles and Parameters Theory) から大きく転換したミニマリストプログラムの核心的な要点であると捉えられる. 特に, 第3要因は言語固有ではない一般的な法則を指し, 経済性や最適性といった普遍的な原則に基づいている.

参考文献

  • Chomsky, Noam (2005) “Three Factors in Language Design,” Linguistic Inquiry 36,

1–22.

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