英語の2種類の述部について考察する.
言語要素はその性質や様々な観点から個別の単位に分割できる.その中でも二次述部については描写二次述部(Depictive Secondary Predicate)と結果二次述部(Resultative Secondary Predicate)という2種類に分けて考えることができる.それぞれの例をSaito (2024, pp. 25–26)に依ってまとめる.
描写二次述部の例
(1) a. John ate the meat raw.
(1) b. John ate the meat naked.結果二次述部の例
(2) a. John pounded the metal flat.
(2) b. Mary broke the glass into pieces.(Saito, 2024, pp. 25–26)
これらの例を比較すると,(1)の描写二次述部の場合はrawもnakedもそれぞれmeatとJohnの状態を描写している.他方で,(2)の結果二次述部の場合はthe metalとthe glassが動作の後に結果としてどうなったのかが示されている.この性質の違いにより,描写二次述部(Depictive Secondary Predicate)と結果二次述部(Resultative Secondary Predicate)という2種類の二次述部が区別されるのである.
参考文献
- 斎藤衛. 生成統語論の成果と課題: 極小主義アプローチと比較統語論.(2024)