幼児の文法パターン


乳幼児の文法の発達は, 言語習得における重要な研究対象である.
Yang (2013) は, 乳幼児が使用する限定詞‐名詞の結合(例えば “a dog” や “the cat”)に関して, 単なる模倣や記憶の結果ではなく, 文法的規則に基づいて生成されている可能性を統計的に検証した.
この研究では, 限定詞(determiner)と名詞(noun)が互いに独立したカテゴリとして組み合わされるという仮定の下, その期待される組み合わせの多様性を定量的に評価する確率モデルが提示されている.

実証的には, アメリカ英語を学習中の幼児10名の初期言語データ(いわゆる2語文段階)および大人のコーパス(Brown Corpus)を用いて, 限定詞‐名詞のペアを抽出し, 理論的な期待値と実測値との比較が行われた.
その結果, 両者は高い一致を示し(Linの一致相関係数 ρc = 0.977), 幼児の発話が文法的規則に従った構文的結合であることが統計的に裏付けられた.

私の研究の専門は言語の生得性にあるが, このような知見が統計的な普遍性に基づくものであるのか否かという問いは, 極めて示唆に富むものである.

参考文献

  • Yang, C. (2013). Ontogeny and phylogeny of language. Proceedings of the National Academy of Sciences, 110(16), 6324-6327.

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