構文文法


生成文法と異なる考え方を持つ認知言語学的なアプローチというものがあり,その中にConstruction Grammar(構文文法)というものがある.この(Construction)構文という用語が少しイメージがつきにくいが,これは端的にまとめると「形式と意味(機能)がペアとして学習されたもの」というような説明になる.この分野の研究基礎を築いたGoldbergの定義を引用しよう.

Any linguistic pattern is recognized as a construction as long as some aspect of its form or function is not strictly predictable from its component parts or from other constructions recognized to exist. In addition, patterns are stored as constructions even if they are fully predictable as long as they occur with sufficient frequency
(Goldberg 2006, p5)

ある言語パターンが構文(construction)として認識されるのは, その形式や機能の何らかの側面が, その構成要素や既に存在すると認識されている他の構文から厳密には予測できない場合である. また, たとえ完全に予測可能であったとしても, 十分な頻度で出現する場合には, それらのパターンも構文として記憶される.

(ChatGPT訳)

言語をこういった形で捉えるアプローチは,生成文法とは全く異なるものであり,別の側面からの言語学の進展を促すものであろう.

参考文献

  • Boas, H. C. (2010). Article 10: Cognitive Construction Grammar.
  • Goldberg, A. E. (2009). The nature of generalization in language.

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