動詞を分類する
学問において, 共通点を見つけ, 対象を細分化して分類していくことは基本的な探究の方法の1つと言える.
例えば実際, 我々は言語という対象に対して, それを細分化して文法上の観点から共通している要素を抜き出し, 名詞や動詞や形容詞といった形で分類を行い研究している.
今回はこの中の動詞に焦点を当てる.
動詞は, いくつかの観点においてさらに分類が可能になる. その中の一つが項構造(argument structure)の観点での分類である. これは動詞を用いる際にその動詞がいくつの(義務的な)項を必要とするかという観点で分類する.
具体的な分類としてCarnie (2021)がまとめているものを引用する.
| Transitivity | Valency | Example | 
|---|---|---|
| Intransitive | 1 argument | smile, arrive | 
| Transitive | 2 arguments | hit, love, kiss | 
| Ditransitive | 3 arguments | give, put | 
| 他動性 | 項の数 | 例 | 
|---|---|---|
| 自動詞 | 1項 | smile (微笑む), arrive (到着する) | 
| 他動詞 | 2項 | hit (打つ), love (愛する), kiss (キスする) | 
| 二重他動詞 | 3項 | give (与える), put (置く) | 
これは文法的な現象を解明するために非常に重要になる視点である. 身近な例で言えば, 受動態を作れるかどうかといった特徴を捉えている場合が多くあるからだ.
参考文献
- Carnie, A. (2021). Syntax: A generative introduction. John Wiley & Sons.
 
				    