構成素テスト


以前の投稿でConstituency (構成素)について見た. 構成素は例えば, The apple や a girl with long hair といった一つの単語ではなく, 複数の単語が組み合わせって一つの単位を形成するものである.

我々は(少なくとも母語に関しては)この構成素を直感的に見抜く能力がある. しかし, 直感で判断していては科学的な研究にならないため客観性を持った確認が必要である. そこで用いられるのが, Constituency Test (構成素テスト)と呼ばれるものである, これは客観的に構成素を判断する際に用いられる.

構成素テストにはいくつか種類があるが, 今回はReplacement Test(置き換えテスト)を見てみたい.

これは対象の単位を別の語に置き換えられるかということを試みる. 次の文章を考えてみよう.1は2のように言い換えられるが3は言い換えられない.

  1. I met a girl with long hair.
  2. I met her.
  3. *I met a her

今回, 置き換えたのは”a girl with long hair”という単位だが, それ故に”her”は許容されて”*a her”は許容されないのが分かるかと思う. このように別の語に置き換えられるかどうかで判断するテストをReplacement Test(置き換えテスト)という.

※こういったテストはいつも機能するとは限らない.

参考文献

  • Carnie, A. (2021). Syntax: A generative introduction. John Wiley & Sons.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です