言語の表現型


以前の投稿でPhenotype(表現型)という概念を見た.

この表現型という概念を実際にチョムスキーも言及している.

…one of us (Chomsky) noted, just as at the start of this chapter, that there seemed to be constraints that restrict the language “pheno-type,” thereby narrowing the target of evolution.

(Berwick & Chomsky, 2016, p. 6)

(前略)我々の一人(チョムスキー)は, ちょうどこの章の冒頭で述べたように, 言語の「表現型」を制限し, それによって進化のターゲットを絞り込むような制約が存在するように思われると指摘しました.

(Gemini 訳)

ここでは文字通り the language phenotype (言語の表現型)という表現が使われている. つまり, ドーキンスの言葉を借りて言えば, ビーバーが作るダムのように, 蜘蛛が作る巣の構造のように我々人間の言語もまた, ある型を持ち, 我々から産出されていると考えられる. これは言い換えるならば, 我々人間の言語には, 普遍的なパターンが存在していると仮定することができるだろう.

参考文献

  • Berwick, R. C., & Chomsky, N. (2016). Why only us: Language and evolution. MIT press.
  • Dawkins, R. (1982). The extended phenotype. Oxford: Oxford university press.

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