ストリッピング
前回の投稿でGapping (空所) を見た. 今回はそれに類するStripping(ストリッピング)をみる.
Strippingもまた省略 (ellipsis) 現象の一種であり, 等位構造などの文中で接続された2つ目の節において, 先行する節と同一の内容が省略されるが, Gappingと異なるのはただ一つの要素(と, 任意で副詞など)だけが残る現象であるということだ.
次の例文を見てみよう.
- John ate hamburger yesterday, and Taro ate hamburger yesterday.
- John ate hamburger yesterday, and Taro too.
2の文章を見ると, 2つ目の節で主語のTaroだけが残り, 先行する節と同一の「ate hamburger yesterday」という部分が省略されていることがわかる. このように, 接続された2つ目の節において, 1つの要素(この文ではTaro)と任意で副詞(この文ではtoo)だけを残して他が省略される現象がStrippingである.
また, この現象も移動や制約といった様々な観点から研究することが可能であり, これらの条件がGappingと似ていることから, Strippingは残余部が一つだけのGappingと見なして進められている研究もある.
参考文献
- Johnson, K. (2018). Gapping and stripping.