多項接続と接続詞省略
等位構造が議論される場合の多くは2項等位というふたつのCoordinand(被接続要素)を繋ぐ構造が議論の対象になる. 他方, 等位構造の特徴として3項以上の項を任意に接続させることが可能だ. これをMultiple Coordination(多項接続)という.
Multiple Coordination
(多項接続): 3つ以上の被接続要素を持つ等位接続.
また, その際に興味深い現象としてcoordinator omissionというものがある. これは接続詞が省略される現象である. 多くの言語, 特にヨーロッパ言語では, coordinator omissionが強く好まれる. これにより, A and B and C は A, B and C のように, 最後の接続詞以外は省略される.
Coordinator Omission
(接続詞省略): 多項接続において, 一部(多くの場合は最後の一つを除くすべて)の接続詞が省略されること.
このように, 多項接続のことを踏まえると, 2項のときには見えてこなかった等位接続の新たな特徴が見えるようになる.
参考文献
- Haspelmath, M. (2004). Coordinating constructions: An overview. In M. Haspelmath (Ed.), Coordinating constructions (pp. 3-39). John Benjamins Publishing Company. https://doi.org/10.1075/tsl.58.03has