どうやって等位構造は分析されるか


等位構造はその分析の困難さから様々なアプローチが試されてきた. Zhang(2024)はその分析のアプローチをきれいにまとめている. Zhang(2024)によれば分析のアプローチは次のような形で分類できる.

  1. 対称的姉妹関係分析 (Symmetrical sister analysis): 等位接続される要素 (conjuncts) は, 構造的に等価な姉妹関係にあるとする.
  2. 指定部-補部分析 (Spec-Comp analysis): 一方の等位接続要素が指定部 (specifier), もう一方が補部 (complement) として, 等位接続詞を主要部とする句を形成するとする.
  3. 付加分析 (Adjunction analysis): 等位接続詞と第二等位接続要素からなる句 (BP, Boolean Phrase) が, 第一等位接続要素に付加されるとする.
  4. 多重支配分析 (Multidominance analysis): 等位接続構造を, 一つの要素が複数の親ノードを持つような三次元的な構造で表現する.
  5. 姉妹移動分析 (Sister movement analysis): 二つの等位接続要素がまず併合され, その後, 一方の要素が等位接続詞の左側へ移動して構造が派生されるとする.

これを見るとわかるが, 本当に多様なアプローチで, 等位構造は分析をされてきた. しかしその一方で, いまだに明確な答えが出ていないということは, 等位構造が現在の理論で捉えることがいかに難しいかを表しているとも言えるであろう.

参考文献

Zhang, N. (2024). Coordinators and modification markers as categoryless functional elements. Nordlyd, 48(1), 39-57.

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