表出される部分との差


今までの投稿で何度も言及しているように, 生成文法においては, 言語をE-Language (Externalised Language) とI-Language (Internalised Language) に分類し, その詳細を検討していく.

その前提でものを考える際, 最近非常に痛感するのは, 言語現象を「外在化されたもの」に分類するか, 「内在化されたもの」に分類するかで, 理論構築の方針が大きく転換するということだ.

あまりに当然のことすぎて, 今更なところもあるが, 1つの現象を外在化・内在化のどちらに分類するかという観点は, それと同時に他の要素に対しても非常に大きな影響を与えることがしばしばある. 最近, 様々な人の講演や意見交換の場に参加するたびに, 改めてこの重要性を深く認識する.

そして, 研究の果てしなさに思いを巡らせることになる.

最近考えていることは, 等位構造のandなどの要素が内在的な要素なのか, 外在的な要素なのかという点であるが, Fong & Oishi (2025) や Bode (2024) は外在化の方向で理論を進めており, 非常に興味深い論を展開している. こういった観点もよく検討し, 自身の理論構築を行っていきたい.

参考文献

  • Fong, S., & Oishi, M. (2025). On the nature of FormSet. Linguistic Variation.
  • Bode, S. (2024). Coordination and the strong minimalist thesis. Routledge.

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