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対称性と非対称性
以前の投稿で, BodeによるRelationとDependencyの関係性を見た.
今回はさらに議論を一歩進め, その関係性がどのように言語現象に適用できるかを見ていきたい.
Bodeは, 著書の中で「等位構造（Coordination）」について論じている. 等位構造における主要な論点の一つは, その構造が対称性（Symmetry）を持つのか, あるいは非対称性（Asymmetry）を持つのかという点である.
これに対してBodeは, Syntax（統語論）の段階では対称的なものであり, それがラベリング（Labeling）によって別の解釈システムに送られる際に非対称性が生まれると考えている.
It is fundamental that Merge is adopted in its simplest form and as the only operation in syntax. Crucially, syntax being fully symmetric does not involve asymmetric operations. Therefore, dependencies being asymmetric can only receive an explanation after syntax. In an architectural sense, interpretational rules are structure-dependent because from the perspective developed here, the resulting system moves from symmetry to asymmetry as shown in figure 5.2.
(Bode, 2024, p. 57)
これは非常に興味深い提案であり, 等位構造の問題をうまく解決できる可能性がある. しかし他方で, 「では解釈部門のシステム（Interfaces）は具体的にどういった処理を行っているのか」という疑問も同時に生じさせる.
参考文献
- Bode, S. (2024). Coordination and the Strong Minimalist Thesis. Routledge.