等位構造の特異性


等位構造の特異性については以前の投稿で何度も言及してきている. 今回はその等位構造の特異性の中でもc-command関係について, Bode (2024) に基づきながら見てみたい.

等位構造の研究において, ConjP approachを用いる研究では等位接続を以下のような非対称な構造 (ConjP / AndP) として分析してきた.

  • 第1項 (XP1):ConjPの指定部 (Specifier) = 高い位置
  • 等位接続詞 (and):頭部 (Head)
  • 第2項 (XP2):補部 (Complement) = 低い位置

このモデルを採用すると, 構造上「XP1はXP2をc-commandする」という予測が立つ.

しかし, これを等位構造のデータに当てはめて確認してみると, 「XP1はXP2をc-commandする」という予測が当てはまらないデータが多く観測される. 実際の次の文を見てみよう.

*He chased [nobody and any dogs].
He chased [nobody [and no dogs]].
(Progovac, 1998a)

もし nobody (XP1) が any dogs (XP2) をc-commandしているなら, 否定極性項目 (NPI) である any が認可され, この文は適格になるはずだが, 実際には非文である.

こういったことから, やはり等位接続に関しては, 何か別のメカニズムが必要になると議論されている.

参考文献

  • Bode, S. (2024). Coordination and the Strong Minimalist Thesis. Routledge.
  • Progovac, L. (1998a). Structure for Coordination Part I. Glot International, 3, 3-6.

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