Why this, and not that?
最近, 具体的な言語事象を分析していく中で, 先人たちの偉大さを改めて実感している.以前の投稿でチョムスキー(2024)の引用から Why this, and not that? という文言をまとめた.
… A true explanation answers the question “Why this, and not that?”
(Chomsky, 2024, p. 4)
この言葉をまとめて以降, 様々な場面でこの言葉の重みとtrue explanation(真の説明)の難しさを痛感している. 理論構築を行う上で, どうしてもアドホックな部分や反例や例外が発生することは避けられないが, そのたびに Why this, and not that? の言葉が頭をよぎる. そして, この言葉を思い出すたびに, そもそも言語が何であるかといった前提の整理によって答えは大きく変わるということに実感を持つことができる.
私の主な研究テーマは等位構造であるが, これもまた非常に難しい. 例えば, 生成文法の基本前提である「言語が思考のためのシステムである」という前提に立つときと, 「コミュニケーション(外在化)」の観点から見るときとで, 理論の方向性が大きく異なる.
参考文献
- Chomsky, N. (2024). The miracle creed and SMT. In M. Greco & D. Mocci (Eds.), A Cartesian dream (pp. 3–32). LingBuzz Press.