理論の条件


生成文法, とりわけミニマリスト・プログラムでは, 説明的な妥当性を追求していることを以前の投稿でも度々触れている.

しかし, そこにおいて目指すべき理論とは何であろうか. 今回は, Chomsky et al. (2023) を参照し, その内容の一部を確認したい.

A final condition is that the innate system must accommodate all possible languages while barring all impossible ones.

(Chomsky et al., 2023, p. 11)

理論が「すべての可能な言語」を説明できるだけでなく, 人間にとっての「不可能な言語 (例えば, 線形順序に依存した規則を持つ言語)」を決して生成できないような制約を備えていなければならない. これが目指すべき理論の条件の一つであると述べている. 以前の投稿でも, 「Why this and why not that?」という一文に触れたが, 今回の内容もまた, 「なぜこれであればこの現象を説明でき, なおかつ, なぜこれ以外では不可能なのか」という観点が非常に重要になる.

これは, 理論構築における必須の条件であると言える.

参考文献

  • Chomsky, N., Seely, T. D., Berwick, R. C., Fong, S., Huybregts, M. A. C., Kitahara, H., McInnerney, A., & Sugimoto, Y. (2023). Merge and the strong minimalist thesis. Cambridge University Press.
  • Chomsky, N. (2024). The miracle creed and SMT. In M. Greco & D. Mocci (Eds.), A Cartesian dream (pp. 3–32). LingBuzz Press.

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