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理想化の適切性
以前から時折触れているが, 生成文法では言語を理想化した上で理論を構築していく. この際の「理想化の適切性」という判断は非常に重要である. なぜならば, この理想化が適切でないと, 誤った理論構築を行ってしまうからである. この点に関して, Chomsky (2008) は “appropriate idealizations” (適切な理想化) という表現を用いながらUG (Universal Grammar) についての整理を行なっている.
UG is said to meet the condition of “explanatory adequacy” insofar as it is a true theory of the genetic endowment, and thus, under appropriate idealizations, maps experience to attained I-languages abstracting here from effects of the third factor.
(Chomsky, 2008, p. 134)
これを見るとわかるが, 生成文法の説明的妥当性を満たすためには, 適切な理想化のもとで検討を行わなければならない. この点に留意しながら研究を進めていきたい.
参考文献
- Chomsky, N. (2008). On phases.